有限会社はどうなる
株式会社と有限会社が統合される。
会社法の施行(5月1日)により、有限会社という会社類型がなくなり株式会社に統合されます。
従来の有限会社にしか認められていなかった、取締役の人数規制や取締役会・監査役の設置
義務のない株式会社も認められることになりました。
つまり、今後は旧有限会社型の株式会社が誕生していくことになります。
既にある有限会社はどうなるのか
では、会社法施行時に既にある有限会社(2005年11月現在、約190万社)はどうなるのか?
会社法施行後は、会社法上の株式会社として存続することになります。そのための定款変更や
登記申請などの手続きは必要ありません。この存続する会社を株式会社でありながら、特に
「特例有限会社」と呼びます。
なお、特例有限会社は、増資することなく通常の株式会社に移行することもできます。
特例有限会社には、会社の商号について従来どおり「有限会社」を称しなければならないとされ
ているほか、いくつかの特則が設けられており、現行の有限会社に関する規定の適用を受けられ
るような配慮がなされています。
○商号
商号は、旧有限会社の商号(○○有限会社)のままです。
○株式等
旧有限会社の社員は株主、持分は株式、出資一口は1株とみなされます。
○株式の譲渡制限の定め
旧有限会社の株式は、すべて譲渡制限株式とみなされます。
○取締役の任期
従来どおり、取締役の任期を定める必要はありません。
○監査役の権限
任意に監査役を設置することができますが、その権限は、会計監査に限られます。
職権で登記事項が変更される
新会社法施行後は、既存の有限会社には新会社法の規定が適用されますので、新会社法の規
定に従った登記が必要になります。ただし、以下の事項については登記がなされたものとみなされ
ますので、自ら登記手続きをする必要はありません。登記官が職権で登記します。
☆「公告をする方法」・・職権で新たに登記
☆「発行可能株式総数」・・職権で新たに登記
☆「発行済株式の総数」・・職権で新たに登記
※発行可能株式総数及び発行済株式の総数はいずれも、資本の総額を出資1口の金額で除した数となる。
☆「出資1口の金額」・・職権で抹消
☆「資本の総額」⇒「資本金の額」・・職権で登記事項名を変更
☆「株式の譲渡制限に関する規定」・・職権で新たに登記
※旧有限会社の定款には、その発行する全部の株式の内容として、譲渡制限があるものと
みなされる(整備法9@)。
☆取締役の共同代表に関する規定・・・職権で抹消
☆「存立時期」⇒「存続期間」・・職権で登記事項名を変更
定款の記載等に関する経過措置
★旧有限会社の定款の記載が、特例有限会社の定款の記載とみなされるもの
イ 目的
ロ 商号
ハ 本店の所在地
★旧有限会社の定款の記載が、特例有限会社の定款に記載がないとみなされるもの
二 資本の総額
ホ 出資1口の金額
へ 社員の氏名・住所
ト 各社員の出資の口数
★特例有限会社には適用されないもの
チ 設立に際して出資される財産の価格又はその最低額
リ 発起人の氏名又は名称及び住所
特例有限会社が通常の株式会社に移行するには
新会社法では、最低資本金規制が廃止されましたので、資本金1円の株式会社も認められます。
有限会社は、いまの資本金を増やすことなく、そのままで株式会社に移行することができます。
したがって、既存の有限会社は、特例有限会社として「○○有限会社」のままいくのか、株式会社
に移行して「○○株式会社」と名乗るのかの選択をせまられることになります。
株式会社に移行するには、@株主総会において、商号の変更(○○有限会社⇒○○株式会社)
についての定款の変更を決議し、A株式会社の設立の登記と特例有限会社の解散の登記の申請
をする必要があります。
こうして通常の株式会社に移行すると、特例有限会社に認められる特則の適用は受けられなくな
りますので、役員の任期の問題などの注意が必要です。
☆役員の任期は最大10年となる
☆決算公告義務が生じる